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付喪神の物語と大将軍商店街

「付喪神記」にあるお話です。平安時代の康保の頃(964年〜968年)の大掃除で、京都中の古道具が捨てられました。今まで人間のために働いてきたのにあっさり捨てられた古道具たちは「人間たちに仕返しをしてやろう」と妖怪に変化します。この道具の妖怪を「付喪神(つくもがみ)」といいます。付喪神たちは集団で山に住み着き、街へ出ては悪事を行いました。そしてある時、自分たちの繁栄が永遠に続くよう、変化の神「変化大明神」に感謝するための祭礼行列を行い、一条通を西から東へと大行進します。 その後、付喪神は僧侶に退治され、これまでの悪事を反省したといいます。 この物語にある「捨てられた古道具が妖怪に変化する」という発想には、昔の人の「道具への愛着」や「道具を捨てることへの罪悪感」つまり「道具を大切にする心」が根底にあったのではないでしょうか?これは現代におけるリサイクルやエコロジー(注:自然保護と翻訳してください)にもつながる発想です。付喪神が大行進した一条通の大将軍商店街では、この付喪神を通して、リサイクルやエコロジーの大切さを訴えながら、妖怪をテーマにした地域振興活動を行っています。

知られざる京都

京都は794年から1867年の間の約千年間、日本の都であり、日本の文化や歴史の中心でした。現在は世界文化遺産をはじめ多くの文化財を有する国際観光都市として年間多くの観光客が訪れます。歴史と文化の都である京都には古い時代の遺物や記録がたくさん残っています。その中にはあまり知られていませんが伝説や怪談の類も数多くあります。死人が生き返る橋の話、天変地異を起こす怨霊の話、死後の世界の裁判を手伝う公卿の話など、京都にはこういった物語やそれに関係する史跡が無数にあります。それらの怪奇な物語の中に、前述の付喪神の物語があります。多くの妖怪が夜の道を行進することを「百鬼夜行」と言います。一条通に位置する大将軍商店街は、2005年から一条通を「百鬼夜行の通り道」妖怪ストリートと名付け、様々な妖怪イベントを開催しています。

妖怪と日本文化

日本にはたくさんの妖怪がいます。正確に言うとたくさんの妖怪の絵と物語が残っています。なぜか?それは、日本人にとって妖怪は単なる過去の空想の産物というのではなく、娯楽作品における人気キャラクターであるからです。日本の妖怪は、古い例だと葛飾北斎などの江戸時代の浮世絵、また現代の漫画、アニメ、ゲーム、小説、映画などの娯楽作品の題材になっています。日本人は昔から奇妙なモノを好む気質です。だから日本の娯楽文化の歴史の中でも妖怪は庶民に好まれる人気キャラクターであり続けたのです。日本の妖怪は娯楽文化と商業に取りこまれ、その絵と物語はオリジナルの要素を残しながら時代や媒体に合わせた形で再表現され続けています。これによって妖怪は、忘れ去られる運命である過去の空想の産物でありながら、今なお多くの人に知られているのです。

京都妖怪観光

歴史と娯楽性、古さと新しさを併せ持つ妖怪というテーマは、古い伝統を持ちながら新しい文化を発信し続けている京都という都市の特性にもマッチするものです。大将軍商店街妖怪ストリートは、これからも妖怪を通して京都の知られざる魅力を発信していきます。

大将軍商店街 妖怪ストリートの取り組み
【妖怪仮装行列 一条百鬼夜行】

日本中から妖怪ファンが集まる仮装行列。
百人を超える妖怪が夜の一条通を行進し、伝説の百鬼夜行を再現する。

【妖怪アートフリマ モノノケ市】

様々なアーティストが妖怪をテーマに作ったオリジナルグッズを販売する。

アクセサリー、ぬいぐるみ、陶器、漫画など、ここでしか買えない多様な妖怪グッズが並ぶ。

 

【マスコットキャラクター「夜行童子」 】

目が三つある童子の妖怪。古道具を妖怪に変化させると信じられている変化大明神の使いであるという。妖怪たちを引き連れて百鬼夜行を先導する。
夜行童子 story

日本妖怪図鑑

【ぬらりひょん】
夕暮れ時、家人が忙しくしている時に勝手に家に上がり込み、煙草を吸ったりお茶を飲んだりするが、なぜか気付かれないという。日本の妖怪の総大将と言われている。

 

【見越し入道】
坂道を登っていると小さな僧侶が現れ、どんどん大きくなり見上げるほどになる。その際「見越し入道、見越した」と言えば消える。

【河童】
全国の川に住まう妖怪。川で人をおぼれさせて肛門から内臓を抜く、きゅうりを好む、相撲が得意などの特徴を持つ。仏に供えられたご飯を食べた人間には手出しが出来ないという。

【傘化け】
古傘が変化した妖怪。大昔、大量の傘化けが川で水浴びをしており、その後どこかへ飛び去ったそうだ。

【猫又】
猫は年を経ると尾が分かれ、二足歩行し、人語を解し、手ぬぐいをかぶって踊るという。また死体をあやつる能力を得るので、不幸があった際は猫を遺体に近付けてはいけないとされる。

【白蔵主】
年を経た化け狐が僧侶に変化し、狐狩りをしている猟師に説法し殺生を戒めた。しかし、正体がばれることを怖れた狐は本物の僧を喰い殺し、自らが僧になりすました。その僧の名前を白蔵主という。

【ろくろ首】
首が伸びるとされているが、実は頭が身体から離れて飛び回るというもので、首に見えるのは頭と身体をつなぐ魂の命綱である。無意識に魂が抜けてしまう奇病の一種とも言われている。

【輪入道】
夜の京都を走る。これを見た者は魂を失う。

【鵺】
昔、時の天皇の寝所の屋根に毎晩現れて不気味な声で鳴き、天皇を悩ませた。その体は、顔が猿、体が狸、手足が虎、尾が蛇で、その鳴き声が鵺鳥(トラツグミ)に似ているので「鵺」と名付けられた。