コウノ式妖怪研究工房
コウノ式 新型 妖怪図鑑 『新形画図百鬼夜行』
azukiarai
【陰摩羅鬼】おんもらき
江戸後期の絵師、鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』にある怪鳥。
ある男が寺に一夜の宿を求め眠ってると、夜中に自分を呼ぶ声がする。目を覚ますと、そこには真っ黒な鶴のような怪鳥がおり、翼を広げて甲高く鳴いていた。男は逃げ出し、後に識者に尋ねると、それは寺に仮置きされた屍の気が変じた陰摩羅鬼であるという。
この話は日本と中国、両方にある。
十分な供養を受けていない屍がこの陰摩羅鬼を生むといい、僧侶の怠慢を戒める意味を持つ。
陰摩羅鬼という字面がとても大仰だけど、これは仏教用語で悟りを邪魔する煩悩を意味する「摩羅」と、影を意味する「陰」、霊を意味する「鬼」を組み合わせている。成仏できない魂を意味しているように思える。
京極夏彦の小説『陰摩羅鬼の瑕』は、大きなお屋敷に一人で住む男というシチュエーションでお話が進むけど、これは「ゲゲゲの鬼太郎」の陰摩羅鬼の回のオマージュなんだって。