コウノ式妖怪研究工房
コウノ式 新型 妖怪図鑑 『新形画図百鬼夜行』
azukiarai
【茄子婆】なすばばあ
比叡山に住むという茄子色の顔をした老婆の妖怪、比叡山七不思議のひとつ。
普段は山中を徘徊しながらにやにやと笑みを浮かべ出会う人を驚かせるが、比叡山に変事がある時に人々に危機を報せるという。
元亀2年、織田信長が比叡山延暦寺を焼き討ちした時、逃げ惑う人々が炎の中で鐘を乱打する老婆を見た。後に老僧が「あれは茄子婆である。お山の危機を知らせに来たのであろう」と答えた。
比叡山七不思議、残りの六つは、不良僧を戒める「独脚独眼の怪僧」、一本眉毛の狸「一文字狸」、死霊が水浴びする「美女の水ごり」、亡者たちの大宴会「六道踊り」、死霊が乗った空飛ぶ船「靄船」、比叡山を七巻き「妖怪大蛇」がある。
「靄船」というお話が幻想的。朝方、比叡山の靄の中に船が浮かんでいる。そこには女の亡者が大量に乗っているという。亡者たちは僧たちの母や思い人で、自分たちの縁者に別れを告げるため会いに来たのだった。